スカシユリ(ユリ科)
初夏、海岸の岩場や草地に、ひときわ鮮やかなオレンジ色の花を咲かせるユリの仲間。花弁と花弁の間にすき間があり、陽の光が透けて見えることから「透かし百合」と名付けられたといわれている。
日本の海岸に自生するユリで、太平洋側では静岡県より北、日本海側では新潟県より北に分布し、伊豆諸島を南限とする図鑑もある。
伊豆大島では以前よりも個体数が減ってきている印象があり、見事な群生が見られる場所は数か所に限られている。
なお群生地の写真は全て、ジオガイド1期生の中林利郎氏より提供していただいた。
この場所は崩落の危険があり、干潮で波が静かな時ではないと近づくことができない。立ち入りは大変危険なので、どうか写真で、この美しい景色を楽しんでいただければと思う。
場所 海岸
季節 初夏(花)

海岸の草地で、遠くからでも目を引く明るいオレンジの花。(撮影日 2025/07/02)

花弁の付け根に隙間があり、周りの景色が透けて見える。じつは6枚のうち3枚は、がく片。(撮影日 2025/06/16)

光沢があり、しっかりとした先が尖った葉が、茎に互生する。(撮影日 2025/06/26 中林利郎氏撮影)

崩れた岩の地形を利用して、荒波の当たる場所で生き抜いているように見える。(撮影日 2025/06/26 中林利郎氏撮影)

空に向かって誇らしげに咲く花たち。草丈30〜40cmで、他の草に埋もれるような高さのものが多い。(撮影日 2025/06/26 中林利郎氏撮影)

キョンや人の手が届かない場所で生き残ってきたのかもしれない。(撮影日 2025/06/26 中林利郎氏撮影)