ガクアジサイ(アジサイ科)

カルデラの溶岩上から林の縁、海岸近くまで、島じゅうのあちらこちらに生える落葉低木。梅雨〜初夏のころ、大きな花が咲き誇る。葉は分厚くて大きく、ツヤがあり、荒れ地にもどんどん育つたくましさを持つ。高さは2〜3メートルほど。額縁のように配置された花に見える部分は、じつは葉が変化した「飾り花」。自生しているものでも、この「飾り花」に個性があり、変化に富むのも魅力のひとつ。中央に集まって咲くのが本物の小さな花で、虫たちに大人気!
房総半島、三浦半島、伊豆半島から伊豆諸島、小笠原諸島まで、海に近い暖かい地域に広く分布している。

場所 三原山・森・民家周辺・海岸
季節 春・夏(花)

三原山の近く、1986年噴火の溶岩流上で、ガクアジサイが順調に成長中!(撮影日 2025/06/18)

民家周辺の道路脇にも、多くの花を咲かせている。(撮影日 2025/06/20)

伊豆大島の道沿いに生えるガクアジサイの葉。分厚く、大きく、ツヤがあるのが特徴。(撮影日 2021/07/06)

国立科学博物館附属・自然教育園のガクアジサイの葉。雨上がりのため、光を反射して輝いて見える(汗)。(撮影日 2021/07/08)

カルデラ内に自生する個体。装飾花がややピンク色を帯びている。(撮影日 2024/06/30)

こちらもカルデラ内の自生種。装飾花の縁に切れ込みがあり、どこかオシャレな雰囲気。(撮影日 2024/06/30)

ハチ、甲虫、カミキリなど、さまざまな昆虫がやってくる(写真は、おそらくフタオビミドリトラカミキリ)。(撮影日 2020/07/20)

1本の木の中に、他とは異なる色や形の花が混じることもある!(撮影日 2021/07/04)

装飾花が緑色になる個体は、「ファイトプラズマ」という微生物による“緑化病”が疑われたが、数十年にわたる栽培の結果、病気ではなく、大島で自然変異した貴重なアジサイと認められた。現在は「椿花ガーデン」で毎年、美しい花を咲かせている。最初の発見者や発見場所は不明。(撮影日 2025/06/20)

通常、ガクアジサイの装飾花は蕾のまま開かないことが多いが、「大島緑化」装飾花は、中央にある花に比べると花びらやオシベの数は少ないものの、ほぼすべてが開花する。花びらは青く、透明感があり美しい。(撮影日 2025/06/20)

花が散った後も、ドライフラワーのような姿で枯れずに残り、翌年の花期まで観察できることも。(撮影日 2024/10/02)

葉が落ちた後には「葉痕(ようこん)」と呼ばれる痕が残る。ガクアジサイのものは、よく見ると羊の顔に見える!(笑)(撮影日 2024/12/28)

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