トゲナシサルトリイバラ 別名サンキライ (ユリ目サルトリイバラ科)

伊豆大島では三原山周辺の開けた火山地形をはじめ、暗い森以外の様々な場所に生えている。蔓の先で他の植物だけでなく自分自身にも巻きつき、這い上がる姿がたくましい!
本州のサルトリイバラの茎には棘があるが、伊豆諸島では棘をなくしたものが多い。(たまに棘のあるものもいる)丸い葉は草餅を包むのに使われ、木の葉で包んだものを「かしゃんば」と呼ぶ(冠婚葬祭の時などによく作られる)赤い実はリースの材料としても使われている。

場所 三原山周辺・民家周辺・海岸・森
季節 春(花)

満開の花が美しいが、すぐ散ってしまうため、タイミングが合わないと。(2025/04/28 撮影)

小さな花が集まって、手まりのような形になる。(2025/04/28 撮影)

雄花。オシベが目立ち、華やかに咲く。(2025/05/03 撮影)

雌花 メシベが目立つ。この時は花弁が散り、実が膨らんできていた。(2025/05/03 撮影)

花が終わった後、春から夏にかけて勢いよくツルを伸ばす。巻きつく相手が見つからないと、道に延びてくることも。(2024/05/29 撮影)

自分で自分の蔓に巻きついて、紐解きパズルのようになっていることもある。伊豆大島では茎には棘がないものが多い。(2023/09/10 撮影)

伊豆大島では丸い葉を半分に折って、草餅を包むのに使う。(2025/05/03 撮影)

「かしゃんば」と呼ばれる草餅は和菓子屋さんでも買えるが、冠婚葬祭の時などにも、よく作られる。(2015/03/27 撮影)

花が終わると、どんどん実が大きくなる。(2024/05/29 撮影)

時々は棘のある個体を見かけることもある。(2024/06/30 撮影)

丸くて真っ赤な手まりのような実は、美しくて注目の的。(2024/11/23 撮影)

冬は落葉するため赤い実が目立つ。実はだんだん少なくなるが、春先まで残ることもある。(2025/03/13 撮影)

棘に夕日があたり、美しさに見とれたことも! (2024/03/18 撮影)

1986年噴火後の再生中の草地など、太陽の光がたっぷりの場所では一面に這っている時もある。(2025/04/28 撮影)

<追記>
西日本を中心に分布するこの植物は、南紀熊野では「エベツ餅」、鹿児島では「かからん団子」として餅を包む葉に使われ、五島では「ふくれもち」の敷き葉として用いられる。屋久島の「かからん団子」には、葉が似るが棘が少なく1〜2月に花を咲かせるサツマサンキライが使われている。

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