ハチジョウイボタ(モクセイ科)
春から初夏、新しく伸びた枝の先に白くて小さな花が多数集まり、甘くむせるような強い香りを漂わせる。筒状の花は長さ6〜7ミリほどで、先端がくるりと反り返り、中央からは黄色いヤク(おしべの先端)が突き出す。本土に分布するオオバイボタの変種とされるが、花はやや小さいらしい。
高さは3〜5メートルほどに育ち、冬でも緑の葉が残るものと落葉するものがある。伊豆諸島にのみ見られる固有の変種で、民家の周辺からカルデラ内部まで、幅広い環境に生育する。
和名の由来は、この木に寄生するイボタロウムシが分泌するロウ物質が、昔「いぼ取り薬」として用いられたことにちなむと言われる。伊豆大島では、かつて子どもたちが、熟す前の緑色の果実を笹鉄砲の玉にしたり、枝を使ってパチンコを作ったりして遊んだという。
場所 三原山・森・民家周辺
季節 春(花)

白く小さな花から甘い香りが周囲に漂う! (撮影日 2025/04/17)

民家周辺の道路にもある身近な木。(撮影日 2025/06/09)

裏砂漠でも3mほどに成長中。(右下のこんもりした木がハチジョウイボタ)(撮影日 2025/06/18)

道路脇でもゴージャスな花が見られる!(撮影日 2022/06/15)

筒状の花は6~7mmの長さ。黄色いヤク(おしべの先端)が花弁より長く出る。(撮影日 2025/06/18)

葉は対生(茎を挟んで左右2枚の葉が向かい合ってつく)。(撮影日 2025/06/18)

葉の長さは4〜8cmぐらいが多い。(撮影日 2025/06/18)

幹にはイボタロウムシが分泌するロウ物質がつくことがある。(撮影日 2011/08/11)

果実は黒く熟す(撮影日 2016/03/10)

熟す前の緑色の果実は、かつて子どもたちの遊び道具(笹鉄砲の玉)になった。(撮影日 2016/01/30)

枝の二股の部分は、かつて子どもたちの遊び道具(パチンコ本体)になった。(撮影日 2016/01/30)

水滴のついた小さな花!(かわいいのでオマケ・笑)(撮影日 2022/06/23)